中国の工場やタオバオで見つけた電気製品を日本で販売したいとき、必ず確認しなければならないのが電気用品安全法(電安法)とPSEマークです。
対象の電気製品は、PSEマークなどの表示がないと日本で販売できません。この記事では、経済産業省の資料をもとに、中国から電気製品を輸入して販売する事業者がやるべきことを整理します。
法律の概要を分かりやすくまとめたものです。個別の商品が対象になるか、どの手続きが必要かは、経済産業省・各地の経済産業局に必ずご確認ください。
PSEマークとは
PSEマークは、電気用品安全法で定められた「電気用品」が、国の技術基準に適合していることを示す表示です。電気用品を製造・輸入する事業者が、決められた手続きをしたうえで表示します。
電気用品は大きく2つに分かれます。
| 区分 | マーク | 特徴 |
|---|---|---|
| 特定電気用品(116品目) | ひし形のPSE | 危険が生じるおそれが特に大きいもの。登録検査機関の適合性検査が必要 |
| 特定電気用品以外の電気用品 | 丸形のPSE | 自主検査などで基準適合を確認 |
輸入した人が「製造事業者と同じ立場」になる
ここがいちばん大切なポイントです。電気用品安全法では、海外から電気用品を輸入して販売する場合、輸入した事業者が、国内の製造事業者と同じ義務を負います。中国の工場がPSEマークを付けてくれるわけではなく、日本側の輸入事業者が届出や検査を行う必要があります。
また、2025年12月25日からは、日本の消費者に直接販売する海外事業者も、国内管理人を選んで届出などを行えばPSマークを表示できる仕組みが始まっています。ネット通販を通じて海外から直接届く製品にも、国内と同じルールを当てはめるための改正です。
輸入事業者がやるべき手続きの流れ
経済産業省は、製造・輸入事業者の手続きを次の流れで案内しています。
- 電気用品かどうかを確認:電気用品安全法施行令で定められた品目に当たるか、特定電気用品か、それ以外かを確認します。
- 自分の行為を確認:製造・輸入をするのか、販売だけなのかで義務が変わります。
- 事業の届出:新たに電気用品の輸入事業を始めたら、開始から30日以内に経済産業局等へ届け出ます。
- 技術基準への適合:国が定めた技術基準に適合させます。
- 特定電気用品かどうかの確認:116品目に当たるかを確認します。
- 適合性検査(特定電気用品のみ):販売するまでに登録検査機関の検査を受け、証明書の交付を受けて保存します。
- 自主検査:決められた方式で検査を行い、記録を検査の日から3年間保存します。
- 表示:PSEマーク、事業者名、定格などを表示してから販売します。
よくある勘違い
「中国の工場でPSEマークが付いているから大丈夫」
商品にPSEマークが印刷されていても、それだけでは足りません。日本で輸入・販売する事業者自身が届出や検査を行い、届出事業者名を表示する必要があります。
「CEマークやCCCマークがあるから大丈夫」
CE(ヨーロッパ)やCCC(中国)は、それぞれの国・地域の制度です。日本の電気用品安全法の代わりにはなりません。
「少量なら関係ない」
販売を目的に輸入するなら、数量にかかわらずルールの対象です。テスト販売の段階から確認しておきましょう。
「USBで動く商品は全部対象外」
コンセントにつながない機器は対象外になることが多い一方、付属するACアダプターは対象になるなど、セットの中身によって判断が変わります。モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)のように対象になっている品目もあります。迷ったら経済産業局に確認するのが確実です。
仕入れの段階でできる準備
PSEの手続きには、技術基準に適合しているかを確認するための資料や検査が必要です。仕入れの段階で次の点を確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。
- 工場が日本向けの検査や試験の実績を持っているか
- 回路図・部品表・試験成績書などの資料を出してもらえるか
- 定格(電圧・電流・消費電力)の表示を日本向けに変更できるか
- 表示ラベル(PSEマーク・事業者名)を製造時に入れてもらえるか
青山代行では、工場とのやりとりや資料の取り寄せ、出荷前の通電検品(1商品50円〜)をお手伝いしています。ただし、通電検品は動作の確認であり、電気用品安全法の検査の代わりにはなりません。届出や適合性の確認は、輸入事業者様ご自身で行っていただく必要があります。
まとめ
- 対象の電気製品は、PSEマークなどの表示がないと日本で販売できない
- 輸入して販売する事業者は、製造事業者と同じ義務を負う
- 事業届出(開始から30日以内)・技術基準への適合・検査・表示が必要。特定電気用品(116品目)は登録検査機関の検査も必要
- 中国の工場が付けたマーク、CEやCCCのマークだけでは足りない
- 判断に迷ったら、経済産業省・経済産業局に確認する
